中国の西洋科学的技術?

「あなたは東洋医学を標榜しているのだから、中国が好きなのね」と言われたことがありますが、私は中国が好きな訳ではなく、東洋の技術が好きなのです。

私は、10歳代後半から20歳代前半にかけて、「西洋格闘術に対抗できる東洋武道」を求めて、合気道では初段を取得し、空手では全国大会に出場しました。しかし、結局「西洋格闘術に対抗できる(純粋な)東洋武道は存在しない」という結論に至り、武道修行をやめてしまいました。

その後、紆余曲折を経て、鍼灸の道に入った訳ですが、「純粋な東洋の技術」を求める”私の本性”は息づいていました。結局、同窓生が西洋医学的発想と東洋医学的発想を混ぜた技術に勤(いそ)しむ中で、私は東洋医学一辺倒でやってきました。

その過程で、鍼灸は西洋医学的発想が混ざらない方が(純粋な東洋医学の方が)、改善率は遙かに高く、しかも、様々な病的状態に対応できる現実を目の当たりにするに至り、今では東洋医学的発想のみの施術に迷いはありません。

中国は現在、GDP世界第2位といわれていますが、その技術的中核は西洋科学的技術そのものです。それは、大量生産の技術然り、軍事的技術然りです。否、西洋科学的技術に偏って追求してきたからこそ、軍事力も経済力も発展してきたのではないでしょうか?

そういう意味で、現在の私にとって、中国は目標でもなければ、尊敬の対象でもありません。中国の大御所治療家が書いている本を読んでも、東洋+西洋の中途半端な治療内容が紹介されている例も多く、また、何回も治療を受けなければ効いた実感が湧いて来ない、などの症例も当たり前のように散見されます。

最近は我が国においても、中国から渡来した中医師(東洋医者)が数多く存在し、日本で鍼灸免許を取得して開業していますが、技術的に高いと思ったことはありません。中国の東洋医科系大学教員の経歴がある人にも施術してもらいましたが、効いた実感は湧きませんでした。


それらの経験を通して辿(たど)りついた答えは、「東洋医学は職人芸」「教科書的なことを追究しても職人にはなれない」「100人100流派」「自分独自の技術を追究しなければ実践では使えない」などの教訓でした。

中国は広いです。また、国家が純粋な東洋医学を正式に「医療」として認めている訳ですから、名人達人が存在しても不思議ではありません。しかし、それらの職人は、肩書きや社会的地位を目印に探しても、見つかるか否かは分かりません。東洋の技術には、”捉えどころのない面”があり過ぎるのかもしれません。

(2016.12記)

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