鼻水・鼻づまり-即効性を目指す鍼灸
(埼玉県 川越市)

外感性のものと、内傷性のものに区分できます。東洋医学においてはハナづまり、生臭いハナ水、嗅覚の低下を主症状とする場合を鼻淵といい、古典には、脳滲、脳漏などと記載されています。ここでは、内傷性の鼻淵について考えてみます。

A分類
@肝胆鬱熱
普段から辛辣な飲食に偏ったり、アルコール常飲の習慣がある方は(辛辣酒酪)、湿熱が体内にこもりやすくなります。また、精神不振等により肝胆の疏泄が低下すると、気が鬱し化熱する場合もあります。東洋医学ではこれが肝胆の鬱熱に進行して脳に影響を与え、脳汁が漏出すると鼻淵が発症するとしています。
A脾胃湿熱
普段から欧米食に偏り、甘いものや油っこいものを飲食していると(肥甘厚味)、体内に湿熱がこもりやすくなります。この湿熱は脾胃に影響しやすいため、脾の運化機能が低下し、清気が昇らず濁陰が降りなくなり、湿熱が陽明経脈に沿ってハナに影響を及ぼすと鼻淵が生じます。
B肺気虚
様々な要因によって肺が虚(うつ)ろになり、そのために衛外機能が悪化すると、外邪を感受しやすくなり感冒にも罹患しやすくなります。また、肺の生命力が低下していると、その治節機能も悪化し、邪毒が滞りやすくなり、それがハナに悪影響を及ぼすと鼻淵が生じます。
C脾気虚
飲食の不摂生や過労、思案のし過ぎ等により脾胃が悪くなり、そのために気血の生成が悪化します。また、清陽が頭部に昇らず、ハナが気血の栄養を十分に受けられない場合は、邪毒が停滞して鼻淵となります。

B鑑別
肝胆鬱熱による鼻淵は頭痛、眩暈、耳鳴等の随伴症状がみられやすいです。また、脾胃湿熱による鼻淵は、腹部膨満、食欲減退、身体の重だるさ等、脾胃と関係がある症状を生じやすくなります。以上の2タイプは双方ともに実証です。
肺気虚によるものは、衛外機能の悪化と気虚による症状を伴いやすいです。また、脾気虚によるものは、脾胃と関係のある症状と気虚の症状を随伴しやすいといえます。この2タイプは虚証なので、脈は弱くなります。

C主な病証
a)肺気虚
(病態)
このタイプにおいては気虚による証候と、衛外機能の悪化による証候を伴います。また、外邪の侵襲を受けやすく、鼻淵を常に繰り返す人もいます。
(症状・所見)
@主要症状・・・鼻水は粘っており白く量が多め。ハナ汁の匂いはない。嗅覚減退、鼻閉の程度には波がある。
A舌脈所見・・・舌の色は淡い、苔は薄く白い、脈は緩く弱い
B随伴症状・・・頭が重い、眩暈、昼間に汗をかく、風を嫌う、息が切れる、話すと疲れる、声に力がない、咳など
(施術方針)
肺の生命力の鼓舞を図り、さらに局所の改善を目指します。主として手太陰肺経を取って鍼にて補法を施し、更に手陽明大腸経を取って鍼にて瀉法を施します。灸の併用も可能です。
(処方例)
肺兪、太淵、合谷、太渓、脾兪

b)肝胆鬱熱
(病態)
肝胆の鬱熱が経脈に沿って昇り脳に影響を与え、脳汁がハナから漏出すると当該タイプの鼻淵が生じます。また、肺熱が肝胆に伝播し、それによる肝胆の熱が経脈に沿って昇り、起こるケースもあります。肝胆の熱が頭顔部に悪影響を及ぼすことにより、頭痛・眩暈・耳鳴・難聴等の症状を随伴しやすいといえます。
(症状・所見)
@主要症状・・・鼻水は黄色を帯びる傾向があり、濁りやすく粘りやすい。量が多め、臭いが気になる、ハナが詰まる、嗅覚減退
A舌脈所見・・・舌の色は紅、苔は黄色、脈は弦で速め
B随伴症状・・・頭が重い、ノドの渇き、眩暈、耳鳴、難聴など
(施術方針)
肝胆の鬱熱を清め、さらに局所の気血の改善を図ります。主として手陽明大腸経、足厥陰肝経、足少陽胆経の経穴を取り、鍼にて瀉法を行います。
(処方例)
太衝、行間、風池、陽陵泉、肝兪、胆兪など

※タイプ別区分は他にも多数ありますが、全てを網羅することはできないため、セオリー的なものを掲載しました。


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