〇「なんで、自分だけこんな思いをしなければならないのか?」以前、体調不良に悩んだ私は、そう思うことがよくありました。今も、生理痛や子宮トラブルで大変な思いをされている患者さんに出会うと「何で、この人は生理痛・子宮トラブルでこんな辛い思いをしなければならないの?」と思います。学校などで「人間は平等だ。」と教えられます。しかし、本当に平等に生まれてくるのでしょうか?私は元来、身体が弱く、たいへんでした。身体の不調を感じるたびに、元気に活動している周囲の人を見て、「自分も皆と同じように元気に活動したい。」と恨めしく思っていました。「なんでこんなに違うのか?ちっとも平等じゃないじゃないか?」と心の中でつぶやいていました(生理痛・子宮トラブルにお悩みの方でもそのような方がいらっしゃると思います)。結局、その答えを探すために鍼灸師になったわけですが、その答えはやはり東洋的な養生・治療法にありました。
〇私が最も不平等だと感じていたのは、「生命力」言い換えれば「自然治癒力」です。生命力旺盛な人は、多少の病気を患ったり、不幸な出来事に見舞われても、たくましく生きていけます。しかし、生命力が弱い人は、例え病気や不幸なできごとに遭遇しなくても、悩みや心配事がつきません。周囲からみて「あんなに恵まれているのにどうして・・・?」と思われることも多いのです。
〇生命力が弱いと、暗く沈んだり、精神不安定、生活や人生の不安などの、特に心の不調に悩まされます(生理痛・子宮トラブルでいえば冷え性タイプ)。いつも元気で活発で、友達も多く、活動的に生活できる人は、生命力が旺盛な人です。逆に、特に理由もなしに悩んでしまったり、他人との間に壁を作ってしまったり、気が弱くて言いたいことも言えない、などの症状に苦しんでいる人は生命力が弱いといえます。昔の東洋人が考えたことは、「病気をしないようにすること併行して、生命力を高めることが大切」ということです。むしろ、究極の目的は「生命力を高める」ことです。そのために、気功、呼吸法、宗教、易経、漢方薬、そして、鍼灸マッサージなどの技術が発展してきたのでしょう。そして、それらは相互に関連しており、東洋哲学という1つの共通点が見出せるようです。私はそれらに詳しくないので、ここで述べることはできませんが、暦(こよみ)や季節感を見ても、鍼灸の理論と重なる点が多く見受けられます。
〇昔から「身体が丈夫なら何でもできる」などと言いますが、それはその通りで、言い換えれば「生命力こそ衰えなければ、何があっても生きていける」ということだと思います。生命力が衰えると、何気ないことにも憂慮したり、怒りを覚えたり、人を憎んだりして、何もかもがうまくいかなくなります。逆に生命力が旺盛なときは、身体の調子もよく、「絶好調」な自分を認識できます。つまり、大方の生活の不都合は、この生命力で解決できるといっても過言ではないでしょう。
〇では、どうすれば生命力を高めることができるのでしょうか?その1つの方法が鍼灸であり、養生法であり、東洋医学なのです。東洋医学の良い所は、「生命力(自然治癒力)を低下させることは行わない」ということです。その結果、病気によっては、即効性に関して現代医学に劣ることもあります。しかし、確実に生命力は上がっていきます。生命力があがるということは、生理痛・子宮トラブルなどのひとつの症状のみでなく、他の症状などにも同時に効果があがってくるということです。これは、1つひとつの症状のみを取り上げて、局部的なアプローチをするのではなく、人体を一つのタイプに分けて「証」を決定し、証にしたがって施術するからです。
〇今、生理痛・子宮トラブルに苦しんでいる方は、将来かかるであろう身体の不調の体質的素因を、身体が示していると理解してください。生理痛・子宮トラブルがあるということは、身体に問題が出ているという黄信号であり、今のうちに改善しておけば、将来的な身体の不調なども、未然に防止できる可能性があるということです。その点、生理痛・子宮トラブルがない人は、身体のもつ欠点を教えてもらえないため、もっと重症な症状(赤信号)に突然かからないとも限りません。「気がついたら〇〇病になっていた」などという事態も十分予測されるのです。これは、不公平が公平に変わる一つの例です。
〇いままで述べたように、不平等を平等に変えるためには、生理痛・子宮トラブルなどの身体の黄信号に耳を傾け、ごまかさずに養生に努めることが必要です。「毎日の努力」に勝る健康法はありません。1日くらい努力しても顕著な変化は見られませんが、それが、月単位・年単位になれば、莫大な差が開きます。その時点で、不平等は平等にすでに変わっているのです。そこに、鍼が入ってくれば速効性も期待できます。私自身、愚かで情けない生活をしがちであり、皆さんにもっともらしいことを言う資格はありませんが、どうか自分自身を大切にして、今悩まされている生理痛・子宮トラブルという不平等を、平等に変えていっていただければ・・・と思います。そして、丈夫でいつまでも長生きしようではありませんか・・・。
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