ストレス・イライラ型(肝うつ気滞 型)
※鍼灸施術をしていて、このタイプには下記のような方が多く見受けられました。すべてが当てはまることはありませんが、いくつかの項目にお心当たりがあるのではないでしょうか
(陥りやすい人の特徴)
(T)先天的要因
このタイプは、「肝気旺盛体」という心身の特徴をもっている人に多いです。「肝気旺盛体」とは、精神情緒豊かで、正義心が強く、実直なため、曲がったことが嫌いです。
(U)後天的要因
仕事や子育て、家事などが激務で、それが長期間続いた場合に陥りやすいのが特徴です。「仕事で競争にさらされている。」「仕事・子育て・家事などのプレッシャー・ストレスでどうにかなりそう。」「いつもアゴや歯に力が入っている。」などと表現する人が多くみられます。
多大なプレッシャーやストレスにさらされ、それが日常化すると、ストレス・イライラ型の生理痛・せいり前症候群になりやすいのです。「環境が病をつくる」ということでしょう。
(V)女性全員に共通する要因
東洋医学ではエネルギーを「気血」などと称します。女性は定期的に月経血として気血のうちの血を失います。そのため、相対的に血が不足気味となり、反対に気が有余となります。そのため、気が高ぶりやすく、このタイプに陥りやすいといえます。
また、「女子は肝を以って先天と為す」といい、月経のグラフにもあるとおり、排卵期〜月経(妊娠・出産・授乳)まで、肝のパワーがモノをいいます。この肝のパワーが異常亢進し、収まりがつかなくなると、精神神経症状が発生し、外に発散すれば人と衝突し、内にこもれば自傷行為(過食など)や欝(うつ)になります。そこに、肥甘厚味&辛辣酒酪な現代食・足を使う運動の不足、遅寝、過度なストレスや精神的緊張などが加わると増悪することになります(肝は抑うつを嫌う)。
生理痛・せいり前症候群・不順などの月経トラブル・・・ストレス・イライラ型−月経
@かたまりが出ると生理痛が楽になる
ストレスを受けて、月経血が固まるため、気血のルートが詰るのです。このかたまりが出るときが、ひどい痛み に襲われるときです。「のた打ち回ることすら出来ない」という方もいます。これは便秘と同じ理屈で、かたまりが出た後は子宮がスッキリし、少し楽になります。しかし、かたまりも複数あったり、月経血全体が寒天上になっているなど、複雑な症状を伴う場合も多いため、必ずしも完全に子宮がスッキリするとは限りません。

A排卵期〜月経前に不快な症状が出る(生理前症候群など)
メカニズムにもあるとおり、排卵期〜月経前は肝気が高ぶります。そのため、相剋現象(下の図)がおきて脾(胃腸)を悪くします。吐き気・イライラ・ヒステリー・胃の症状などが発生します。特にストレス・緊張・気持ちの張り、などがあると悪化します。月経が始まると肝気の異常亢進が改善されるので、楽になります。

B月経周期に異常がある(稀発・頻発、生理不順など)
肝うつ気滞型ですので、気が滞る(詰まる)ために月経機能も滞る(詰まる)と周期が長めになります。「3ヶ月に1回しか来ない。次はいつ来るか分からない」という人もいます。周期が長くなると、排卵期〜月経開始前の不調(生理前症候群など)の場合、”悶々・イライラ”などの苦しみが長くなり、筆舌に尽くし難い症状になっている方も見受けられます。こうした状態が長く続くと、人間関係にも支障を来たします。
熱が体内にこもる方の場合、逆に周期が短くなります。”悶々・イライラ”などの精神症状が伴うのは同じです。

C子宮・卵巣トラブルなどになっている
このタイプは、気の通りが悪く気滞といわれる症状におちいりやすいです。そのため、気滞→血滞(気は血の帥であるため)→血お(アマリモノ)と変化します。この”血お”といわれるアマリモノが、月経のたびに子宮に溜まることを繰り返すと子宮・卵巣トラブルなどになります。
D腰からお腹にかけて帯状に違和感、痛み
これは帯脈というエネルギーのルートの病です。帯脈は「身を周ること帯を束ねるが如し、婦人悪露の如きは帯脈に随って下る、故にこれを帯下という」と表現されています。異常な帯下・不正出血・腰痛・下腹部の痛み・・・などは婦人特有の病です。足の第四・第五指の指の付け根から足首側(足臨泣)のツボに反応があらわれることもあります(帯脈の宗穴は足臨泣)。
E不妊に悩んでいる
このタイプは一言で表現すれば、肝うつ気滞です。身体全体の気血の流れが滞るので、子宮や卵管などの運動もスムーズに行えなくなります。その結果、すんなりと妊娠できない場合があります(参考:不妊の弁証論治)。
生理痛・せいり前症候群・不順などの月経トラブル:ストレス・イライラ型−性格や不快な症状の特徴など
@ 自分の意見をハッキリと主張できる
このタイプは比較的、生命力がシッカリしています。そのため、吐き気 型や冷え性 型のように「気が弱くて言いたいこともいえない」ということは比較的少ないといえます。それに比べて、冷え性
型(=虚弱体質)や(場合によっては)吐き気 型は、生命力が減退しているため、人と衝突するだけのエネルギーが残らずに泣き寝入りします。

A 神経が高ぶって、不眠になることがある
これも同様です。ピリピリして穏やかな気持ちになれない時があります。夜寝ようと思っても、昼間の出来事が気になって眠れないことがあります。生理痛・せいり前症候群・不順などの月経トラブルよりも不眠の方が ひどい方もいます。コーヒーやお茶などは控えましょう。

B (あまり多くありませんが)立ちくらみがすることがある(冷え性 型とは違う種類の立ちくらみ)
気が逆上して頭に上りやすい傾向があります。その結果、めまいがしたり立ちくらみがします。気持ちを落ち着け、なるべくゆったりとした気分ですごしましょう。冷え性 型の虚弱な立ちくらみとは違います。
C 早口でしゃべることがある
このタイプは頭の回転が速いため、早口でしゃべることがあります。そのため、相手に聞き返されることがあります。意識してゆっくりと話すことも必要です。

D 胃部に圧迫感があって脇や胸が張り、大息しにくい。生理前には乳房に違和感がある。
肝の場所は胃の高さで脇に少しよったところです。また、足の蕨陰肝経は胃を絡んでいます。肝が亢進すると、張ったり痛くなったりします。こんなときの生理痛・せいり前症候群・不順などの月経トラブルは ひどい
です。

E腰痛・太ももの外側が張る・痛い、側頭部の頭痛
このタイプの腰痛などは、冷え性の方とは違い、腰や太ももの外側ががパンパンに張ります。人によっては、生理痛と同じくらい ひどい です。やはり、睡眠・運動・食事が大切です。頭痛も体の横側ライン(側頭部=コメカミのあたり)にあらわれがちです。

Fカラオケに行くとスッキリして、疲れが残らない
このタイプの方は、気の通りが悪くなっていて、身体の中にうっ積し、体調を崩しがちです。気を発散するため、大きな声を出して歌うなどするとスッキリします。ストレスがたまっている人がカラオケに行きたがるのも、同様の意味からです。ストレス解消大いに結構ですね。ちなみに冷え性
型などの虚弱体質者との違いは、(冷え性 型は)歌ったことでエネルギーを消耗し、疲労感が先に来ます。吐き気 型はその中間です。

G声に力がある
生命力がシッカリしています。冷え性 型(虚弱体質)はボソボソと、力のない声で話します。吐き気 型はその中間です。
H入浴後はスッキリする
入浴や運動は、動かない気を動かす作用があります。うっ積して動きが悪い気を動かすので、スッキリと楽になります。ちなみに冷え性 型などの虚弱体質者との違いは、(冷え性
型は)入浴によりエネルギーを消耗し、疲労感が先に来ます。吐き気 型はその中間です。

I爪に縦すじがある
東洋医学では、ストレスは肝を損なうといいます。肝は筋肉を支配します。運動して筋肉に刺激を与えると、スッキリするのもこのためです。そして、「爪は筋肉の余り」といいます。つまり、爪に異変がある人は、ストレスが慢性的になっている可能性があります。ところで、糖質はグリコーゲンに変わり、肝臓と筋肉に蓄えられることはご存知の方もいるでしょう。このことからも、肝と筋肉のつながりの深さは推測できるのではないでしょうか。
J悔し泣きをすることがある
これもたまった気を発散するための行動です。特に目はストレスがあらわれやすい場所といわれており、ストレスにより涙腺が弱くなることも影響しています。

K曲がったことが許せない
「肝胆相照らす仲」といいますが、肝気が不安定になると、胆にも悪影響です。胆には正義心が宿るため、胆も異常亢進し、他人の曲がった行為が許せなくなります。そのこと自体は、悪いことではありませんが、あまりこだわりすぎても体調を崩します。
L舌の両側や先端が、通常より赤かったり、その部分の面積が比較的大きい
肝は舌の両脇(場合によると先端)に表れます。肝が異常亢進すると、この部分の赤が鮮明になり、面積も広くなります。他に、斑点がある場合は、オ血(不必要な血液のようなものも)たまっていることを意味します。これも密接に関係しています。

M人が話し終わるのを待たずに自分が話したい
このタイプの人は、テンポが速いため、人が話し終わるのを待たずに自分の話をしたがることがあります。ストレスが少ないときは、ゆったりとしていられますが、多忙な仕事などでストレスがたまるほど、こうした傾向が強く、悪影響です。
N身体がかゆくなることがある
花粉の季節やペットをなでた時など、身体がかゆくなることがあります。これは皮毛に属するため、肺の症状です。足の蕨陰肝経は肺に通じていますので、肺の異変が出ることがあります。元々、肺が丈夫でない方でこのタイプの人が見受けられます。
Oいつも風邪を引いている
五行色体表を縦におろしていくと、五気に風とあります。発熱するところまでいかなくても、いつも咳をしていたり、ノドが痛い人が見られます。肝と肺は密接に関係しています。.
Pノドに何かが詰まっているようだ
梅核気といい、肝うつ気滞の病です。
生理痛・せいり前症候群・不順などの月経トラブル:ストレス・イライラ型−改善 法(ひどい痛みで苦しまないために)
@運動不足に気をつける。
ストレスは運動で発散しましょう。運動すると気が動き、ストレスが解消され、ひどい生理痛・せいり前症候群・不順などの月経トラブルなどの改善に役立ちます。これとは逆に、精神的な不安定を、運動ではなくて精神的な我慢で静めようと思っても、無理です。無理やりに精神力で我慢しようとすることを、昔の人は、「火を火で消すがごとく」と言って、戒めたそうです。特に足を使った運動は気の動きを活性化します。ウォーキングから始めて運動に慣れてきたら、公共の体育館やスポーツクラブなどで、腹筋と足を鍛える運動をお勧めします。背筋や上半身を鍛える運動は、あまりお勧めできません。運動不足は長い年月をかけて、徐々に身体を蝕(むしば)んでいきます。

Aコーヒー・お茶・紅茶は飲みすぎない、タバコは論外(麦茶・プーアル茶・十六茶・爽健美茶など、神経がピリピリしないものは例外)
カフェインやタバコは神経を高ぶらせます。飲んだ直後はスッキリしますが、切れるとイライラが一層高ぶるので、また、飲みたくなります。これを繰り返していると悪循環に陥り、肝を傷つけます。
また、下焦を虚にします。「下焦が虚」の意味については、「@吐き気 型・簡単編-身体の特徴・症状、G胃の場所(または少し下)を押すと違和感がある。または硬く張っている」をご覧下さい。お茶などの成分だけを取り出して、「〇〇という成分は身体に良い」とするのは単純すぎる発想です。いくら成分が良くても、飲み物全体で身体にどのような作用を及ぼすのか、をきちんと考える必要があります。

Bインスタント食品を控え、緑黄色野菜を沢山食べる
インスタント食品には、合成保存料や着色料などの神経を高ぶらせる添加物が使われています。神経を支配するのは肝です。毎日の積み重ねが肝をいじめることになり、ひどい痛みにつながります。できるだけ自然のものを食べた方がいいのです。

C目は使いすぎない
目を使いすぎることにより、交感神経が興奮します。五行色体表にあるとおり、このタイプの五官は目です。パソコンはエネルギーを極度に消耗させます。休憩をとりながら行いましょう
Dアルコールもほどほどに
アルコールなどの毒素は肝で解毒されます。あまり飲みすぎると肝に負担がかかり、自律神経のバランスを崩します。ひどい痛みで苦しまないために、今は少し我慢しましょう。

E肉食過多にならないように気をつける
動物性脂肪の過食は気の通りを悪くします。気のとおりが悪くなると肝うつ気滞がますます悪化し、ひどい痛みが一層ひどくなります。器質的な症状に陥いる人は、お肉が好きな人が多いのです。野菜を中心に食べ、たんぱく質は魚や大豆類で摂りましょう。
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