鍼灸の威力について

「鍼は太い方が威力が強く、効果が高い」という情報が、一部の鍼灸師の間で出回っていますが、それは間違いです。太い鍼で刺すということは、ただ単に「筋肉組織(筋繊維)などを広範囲に損傷する」ということであり、「経脈を動かす強い力が加わる」こととは、根本的に意味が違います(東洋医学的威力は西洋科学的には立証できない)。

当方では、鍼灸師養成専門学校で使用している鍼よりも細い鍼で結果を出すことを方針としています。というよりも、現在、使用している鍼より太い鍼で刺しても、効果は変わらないため、太い鍼で刺す(痛くする)必要性を感じません。

「それでは鍼灸の威力とは何ぞや?」と疑問にお思いの方もいるかもしれません。東洋医学の世界では「鍼は肚(ハラ)で刺す、灸は肚(ハラ)で据える」という言葉があります。つまり、鍼灸師の下っ肚(したっぱら)(≒丹田)の力によって、鍼灸の威力(効果)は違ってきます。「それは腹筋を鍛えるという意味か?」という質問が飛んできそうですが、そのような西洋科学的トレーニングを積んでも、下っ肚(したっぱら)の力は養成できません。また、「それは気の力か?」というオカルトな質問もされそうですが、それも違います。

このような技術につきましては、言葉で説明するのは困難です。東洋的な技術について、頭で理解していただくのは難しいのが現実です。皆様を戸惑わせてしまって申し訳ありませんが、「鍼灸は実践性が全てです。効くか効かないか、それだけで評価して下さい。」というHP(トップページ)の文言に帰趨してしまいます。

西洋医学と東洋医学は全く違います。東洋医学は、西洋医学の枠の中には入りません。しかし、オカルトやサイキックなどではありませんし、癒しなどのリフレクソロジーでもありません。「実践性がすべて」「身体で味わっていただきたい」としか、申し上げようがないのかもしれません。

(2016.04記)

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