本来の東西融合とは

〇東西融合という言葉は便利です。いまや施術者養成学校や施術所の多くは東西融合という言葉を使って客(入学生)集めをしようとしています。東洋と西洋の良いところを混ぜた・・・ということでしょうが、きれいごとをいっている所ほど、東洋にも西洋にもなっていない”見せかけのきれいごと”であることがしばしばです。

〇先日、「痛みがひどく、科学的な施術を受けたが良くならない、器質的な弱点があると痛みはひきませんか?」と聞かれたので、「やってみます」と答えて、何度か施術しました。数回で痛みが改善し、患者さんは喜んで下さいました。「色々な所に行ってダメだったのに、すごい」とおっしゃいましたが、それは大きな勘違いであり、かいかぶりです。私がすごいのではなく、”東洋的視点に立ったら難しくない症状だった”に過ぎません。

〇そのような患者さんは、「器質的な弱点があるからダメ」と最初から決め込んでいます。私は器質的な弱点をターゲットにしたわけではありません。器質的弱点は無視しました。では、なぜ痛みが改善したのだ?と不思議にお思いになるところが、すでに「科学的でなければダメだ」という教育を受けてしまっていることになります。

〇東洋医学的立場に立った場合、最も重視するのは、生命力です。生命力さえあれば、西洋科学的には器質的弱点があっても、なんとかなることもあります。鍼灸の直後に楽になることもあります。しかし、西洋科学的には軽症で器質的弱点はなくても、生命力が減退している場合は、いつもうまくいくとは限りません。つまり、西洋科学的立場は器質的弱点を絶対視するのに比べ、東洋では生命力の有無を絶対視するわけです。ですから、患者さんが自分自身の生命力を弱める行為には目を覆いたくなります。

〇「生命力」というと、とらえどころのないものだと思うかもしれませんが、元々人体は”生命の神秘”ですから、とらえどころのないものなのです。それを目に見えるものにしかアプローチしないのでは、生命の神秘を動かすことは出来ません。昔の人はそうしたことを熟知していたようで、数千年前の文献などにも詳細に記述されています。東洋医学というと、”体質改善””副作用がなくジワジワ効く”などと宣伝されますから、「改善に時間がかかる、まだらっこしい・・・」などという誤解を受けますが、それは我々施術者の腕が不足しているだけで、本来はもっとスピーディーかつダイナミックであったようです。東洋医学だけでも、患者さんを満足させられる要素が充分にあったのです。

〇ここまでの説明でお分かりになるとおり、東洋的アプローチと西洋科学的アプローチでは、全く違う方向から入ります。全く別ものだということです。だからこそ、西洋科学的アプローチで救われなかった人が東洋的アプローチで救われたり、また、その逆もあるわけです。つまり、両方とも必要なわけです。これが本来の東西融合だと思います。東洋的アプローチを勉強するだけでも、一生かかっても足りません。これは、西洋科学的アプローチでも同じことだと思います。一箇所の施術所などで東西融合をうたっているところの多くは、「二兎を追うもの一兎を得ず」になっている所がありますから、注意する必要があります。患者さんは本当に困って「藁(わら)にもすがりたい」気持ちで施術所を訪ねてくるわけですから、自分の施術所を宣伝するために、きれいごとを言うべきではありません。分からない人は、だまされてしまいます。施術者養成学校も同じです。高額(数百万円)な授業料を払い、人生をかけて学びに来るわけですから、宣伝文句には絶対にうそがあってはいけません。

〇症状にお困りの患者さんにおきましては、誇大広告にはくれぐれもご用心ください。施術者養成学校に入学を予定されている方におきましては、在学生を門の前で待ち構えていて、内情を聞き出すくらいのことをすべきです。私がかつて学んだ学校では、入学生向けに就職先のデータが公表されていますが、実際には何の調査も行われていません(つまり、ニセデータです)。施術所も施術者養成学校も、きれいごとをうたっているところほど、”口だけ””見栄えだけ”で終わることが多いものです。ぜひとも感覚を研ぎ澄ませて、正直に答えてくれる所、きれいごとを言わない所、うそのない所、クチコミで知り合いから紹介された所、などを探してください(別に当方の宣伝をしているわけではありません。他に優れた施術所などはたくさんあると思います)。大切な自分の身体(人生)を預けるわけですから・・・。

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