うつ-即効性を目指す鍼灸
(埼玉県 川越市)

二元論:精神と肉体を切り離して考える。精神的な・・・肉体的な・・・などの表現は二元論の考え方。
一元論:精神も肉体も五臓六腑から発している。精神的な・・・肉体的な・・・などと、精神と肉体を別々に論じる発想はない。
東洋医学の基本は一元論です。肉体的な問題も精神的な問題も、五臓六腑の状態を良くすることにより改善する、という考え方を採ります。ここでは、”うつ”に焦点を当てて弁証論治の例を挙げてみます(それぞれの弁証において、すべてが当てはまる人はいません。また、複数の弁証が混ざって出る場合も多く見られます)。

1心脾両虚による うつ
(症状)
・不眠・多夢・・・心(しん)の滋陰が低下して、蔵神機能が落ちている状態です。
・精神不安定・・・腎は根、心(しん)は華に例えられます。根が虚して華が重くなると、”うつ”などの不安定な状態になります。
・めまい・・・五臓六腑の滋養不足→脳の滋養不足
・面色白・・・上の方に気血が行渡りません。
・疲労倦怠・・・五臓六腑の虚により四肢を滋養できません。
・食欲が落ちる・・・脾胃の気血不足、また、脾胃に気血を送る心の力が落ちる
・舌色が淡い・・・気血不足
・脈が弱い・・・五臓六腑の虚
(施術方針)
心脾の精気を補う、気の根を補う
(鍼灸に用いるツボ)
太渓、照海、中かん、足三里

2肝気鬱結による うつ
(症状)
・鬱屈した気分、易怒、イライラ、人を許せない・・・疏泄機能の低下をあらわします。
・胸や側腹部が張る・・・足の厥陰経が詰まっています。
・食欲減退・・・厥陰経は胃を纏います。
・口が渇く・・・肝鬱気滞→化火→陰分を吸い上げられた結果です。
・側頭痛・・・足の少陽胆経は肉体の横面を通ります。側腹部が張るのと同様です。
・生理不順・・・足の厥陰経が詰まると生殖器の気血の流れも滞ります。それが長引くと生理痛などが出る場合もあります。
・舌色は紅、苔は黄色・・・肝鬱気滞→化火の症状です。
・脈弦・・・比較的、力のある脈です。
(施術方針)
疏肝理気、補腎陰
(鍼灸に用いるツボ)
太衝、百会、合谷、太渓、照海



3気滞痰湿による うつ
(症状)
・胸がモンモンとする・・・気と痰飲が胸に停滞しています。
・いつも胃が詰まっている・・・脾胃の低下です。
・咽喉の閉塞感・・・梅核気といいます。
・嘔吐感、食欲減退・・・脾胃の機能低下をあらわします。
・舌苔粘・・・痰湿の滞りです。
・脈滑・・・五臓六腑の虚
(施術方針)
補気、除痰湿
(鍼灸に用いるツボ)
中かん、足三里、公孫、豊隆

4腎陰虚による うつ
(症状)
・腰が重だるい・・・腰は腎の外の府
・精神の問題、神経質、易怒、イライラ・・・蔵神機能減退
・(男性)生殖能力低下・遺精 (女性)月経不順
・掌・足の裏のほてり・・・五心煩熱といいます
・寝汗・・・盗汗
・耳鳴・めまい・・・髄の生成不足、脳髄の空虚
・舌紅・・・虚火
・脈が細い、または速い・・・陰分不足による細脈、虚火による速い脈
(鍼灸に用いる施術方針)
補腎陰
(ツボ)
太渓、照海、復溜、陰谷、三焦兪


※タイプ別区分は他にも多数ありますが、全てを網羅することはできないため、セオリー的なものを載せました。

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