五行色体表−即効性を目指す鍼灸

@ A B C D
五行
五季 9月頃
五臓
五腑 小腸 大腸 膀胱
五官
五主 血脈 肌肉 皮毛 骨・髄
五志 思案 恐・驚
五声
五気 湿
五色
五味 鹹(しおからい)
五指 薬指 中指 人差指 親指 小指
陰経 蕨陰・足 少陰・手 太陰・足 太陰・手 少陰・足
陽経 少陽・足 太陽・手 陽明・足 陽明・手 太陽・足
五情 意(智) 精志
五液 涎(よだれ) 涕(鼻水)
五支 毛(面色)
五変 握・攣 動悸 しゃっくり 慄(ふるえる)
五方 中央 西
五役
五不足 憂悲 四肢不用 息利少気 蕨逆
五時間 平旦 日中 日西 日入 夜半
五目部 黒精 目頭・目尻 まぶた 白目 瞳孔

(五行とは)
西洋科学のみを万能視する我が国では、東洋医学の五行論に対し、西洋科学に合致しないものとして、奇異なモノと受け止めようとする見方が強いと思われます。西洋科学では、万物の成り立ちを原子・分子などから解釈して、完成されたものとしています。しかし、西洋科学の自然観や生物の成り立ちや病に対しても、まだ分からない部分が多く存在することを考慮すれば、分析科学的な見方をしなかった東洋の古人が、この複雑怪奇な世の中の成り立ちをありままに受け止め、健康を維持して病を克服するために、いかように臨んだかについて掘り下げるすべきかもしれません。

五行とは木・火・土・金・水の五種の物質から成り立っています。古人が普段の生活とその生命活動の中から、基本的な物質として考えたのが五種の物質です。

(五行の思想)
五行論は五材説を元として、なお一層これを追求して世の中の様々な出来事をこれにあてはめて、五材間に成り立っている関係を法則化しました。その一つは、「似ているものは似ている働きをする」という考え方です。古典に「五蔵の象は類を以て推す」とあり、「同じようなものをもって追求する」ことにより、類の中に共通しているものを見つけることが可能です。
その類に分ける土台としたものが、木・火・土・金・水の5つです。気の思想が礎になっている東洋では、五つの物質をその中にうごめいている五種の気が形をなしたものとして解釈しました。五行とは五種類の気を意味しています。

(具体例)
五行を自然の中に当てはめてみましょう。例として@木から始まる縦列を考えてみます。古の世界における東方は、樹木が生い茂っているエリアでした。その森林の色は青、東方は大きな海で、やはりこれも青、一日は東からの日の出でスタートし、シーズンでは春になると生命が誕生し、木々も一斉に芽が吹き出てきます。春のシーズンの特徴は、風に代表されます。多分、春一番のように、春の風が生命を芽吹かせる、と考えられていたと思われます。

このような考え方が医学にもあてはめられ、五臓では木の行には肝があります。肝臓の血管の状態が樹木に似ているように見えることと、五臓の中では一番青に近いことなどから、あてはめられたと思われます。六腑では胆です。胆が肝と結びつくことは、西洋解剖学からも分かりやすいでしょう。

五官では目、体の組織では筋、感情では怒り、声では呼ぶ、があてはめられています。このことは、「怒りやすく、すぐにキーッと青くなり、声を出して声を荒げる人」をイメージできればよいでしょう。このような憶測は、様々に応用できます。それをさらに推し進めて、数・星・音・野菜・動物・穀物等、細かい一覧表が作られています。

火の性質は、「火は炎上をのたまう、苦を作す」とあります。「炎上」とは火が熱、上に昇る性質をもっていることをいっています。熱、上昇の性質を持つものは、すべて火に所属します。

土の性質は、「土はここに稼檣(かしょく)す、甘を作す 」とあります。稼檣(かしょく)とは、土にある”種まきと収穫”という農業上の働きをいいます。「土は万物の母」といわれるのも、このような性質があるためです。

金の性質は「金は従革とのたまう、辛を作す」とあります。「従革」とは、変革のことを意味していると思われます。このため、清潔、収斂などの性質があるものは、全て金に属します。

水の性質は「水は潤下とのたまう、鹹(しおからい)を作す」です。水にある潤いと、下に向かう性質のことをいっています。このため、寒い、潤い、下へモノを運ぶ性質などは、すべて水に所属しています。以上の五行の性質の主な項目を古典から抜き出すと、五行色体表になります。

(@の縦列)
対応する臓(五臓)・・・肝
対応する腑(五腑)・・・胆
病が発症しやすいシーズン(五季)・・・春
病が出ている時の身体の色(五色)・・・青
味の好みの特徴・・・酸っぱい
臓のつかさどる器官(五主)・・・筋
病の状態が出やすい所(五竅)・・・目
弱った時に反映されやすい所(五華)・・・爪
弱った時の声の状態(五声)・・・呼(呼ぶように大声を出す)
体の状態(五変)・・・握(興奮して手を握り締める)
分泌されるもの(五液)・・・涙(興奮すると出やすい)
感情(五志)・・・怒
気候(五季)・・・風
精神作用(五神)・・・魂
方角(五方)・・・東(日は東から昇る)
指(五指)・・・薬指(薬指に問題がでやすい)
経脈(陰経)・・・足の厥陰肝経(エネルギーのルート)
経脈(陽経)・・・足の少陽胆経(     〃      )


(Aの縦列)
対応する臓(五臓)・・・心
対応する腑(五腑)・・・小腸
病が発症しやすいシーズン(五季)・・・夏
病が出ている時の身体の色(五色)・・・赤
味の好みの特徴・・・苦い
臓のつかさどる器官(五主)・・・脈
病の状態が出やすい所(五竅)・・・舌
弱った時に反映されやすい所(五華)・・・顔色
弱った時の声の状態(五声)・・・笑うような力のない声
体の状態(五変)・・・憂う
分泌されるもの(五液)・・・汗(をかきやすい)
感情(五志)・・・喜びやすい
気候(五季)・・・暑
精神作用(五神)・・・神(意識をつかさどる)
方角(五方)・・・南
指(五指)・・・中指(に問題がでやすい)
経脈(陰経)・・・手の少陰心経(エネルギーのルート)
経脈(陽経)・・・手の太陽小腸経(    〃     )

(Bの縦列)
対応する臓(五臓)・・・脾(消化器+膵臓+脾臓など)
対応する腑(五腑)・・・胃
病が発症しやすいシーズン(五季)・・・教科書的には土用(個人的には9月)
病が出ている時の身体の色(五色)・・・黄
味の好みの特徴・・・甘い
臓のつかさどる器官(五主)・・・肌肉(皮膚と筋肉の間)
病の状態が出やすい所(五竅)・・・口(例:口内炎など)
弱った時に反映されやすい所(五華)・・・唇(例:炎症など)
弱った時の声の状態(五声)・・・歌う(小声で無意識に歌ってしまう)
体の状態(五変)・・・しゃっくり(が出やすい)
分泌されるもの(五液)・・・涎(よだれを出しやすい)
感情(五志)・・・思い悩む傾向
気候(五季)・・・湿(気の多い状態に影響を受ける)
精神作用(五神)・・・意(≒意図)
方角(五方)・・・中央
指(五指)・・・人差指(に問題がでやすい)
経脈(陰経)・・・足の太陰脾経(エネルギーのルート)
経脈(陽経)・・・足の陽明胃経(     〃     )


(Cの縦列)
対応する臓(五臓)・・・肺
対応する腑(五腑)・・・大腸
病が発症しやすいシーズン(五季)・・・秋
病が出ている時の身体の色(五色)・・・白
味の好みの特徴・・・辛い
臓のつかさどる器官(五主)・・・皮膚
病の状態が出やすい所(五竅)・・・鼻(例:鼻詰まりなど)
弱った時に反映されやすい所(五華)・・・体毛(例:肩甲骨の間の体毛が濃くなる)
弱った時の声の状態(五声)・・・哭く(嘆きやすくなる、涙もろい)
体の状態(五変)・・・咳(が出やすい)
分泌されるもの(五液)・・・鼻汁(鼻水を出しやすい)
感情(五志)・・・悲(しみやすい傾向)
気候(五季)・・・秋(に影響を受けやすい)
方角(五方)・・・西
指(五指)・・・親指(に問題がでやすい)
経脈(陰経)・・・手の太陰肺経(エネルギーのルート)
経脈(陽経)・・・手の陽明大腸経(    〃     )

(Dの縦列)
対応する臓(五臓)・・・腎
対応する腑(五腑)・・・膀胱
病が発症しやすいシーズン(五季)・・・冬
病が出ている時の身体の色(五色)・・・黒
味の好みの特徴・・・鹹(しおからい)
臓のつかさどる器官(五主)・・・骨
病の状態が出やすい所(五竅)・・・耳(例:耳鳴りなど)
弱った時に反映されやすい所(五華)・・・髪
弱った時の声の状態(五声)・・・呻(うめ)く
体の状態(五変)・・・慄(おびえやすい)
分泌されるもの(五液)・・・唾(唾液の出方に変化がある)
感情(五志)・・・恐(恐れ不安)
気候(五季)・・・冬(に影響を受けやすい)
方角(五方)・・・北
指(五指)・・・小指(に問題がでやすい)
経脈(陰経)・・・足の少陰腎経(エネルギーのルート)
経脈(陽経)・・・足の太陽膀胱経(     〃    )

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