腱鞘炎

Ⅰ社会通念的な考え方
腱鞘炎は、四六時中、書き物やPC事務を行う等、上肢や指を極限まで使う作業を行っている人が罹患しやすい症状といえます。
東洋医学においては、ツボとツボを繋ぐルートを経脈といいますが、筋肉も経脈と同じように連続したルートがあり、これを経筋と呼びます。手先の酷使のみでなく、肩から背中に連なる経筋の何処かに問題が生じると、腱鞘炎が発症する傾向があります。
経筋の問題は、首、胸、肩、肩甲骨の周辺の何処かに問題があると出現します。これらの問題が上肢の筋肉に影響し、上肢の先端で最も負担が強いられる指に、具体的な病態となって出る訳です。軽い間は指や手の痛みですが、進行すると、肘や上肢全体にまで影響してきます。軽い間に改善するように心がけましょう。
症状の出現には気温も相当程度影響していて、気温の差が著しいシーズンには注意が必要です。特に冷えるシーズンには、筋肉が収縮しやすく、腱に疼痛が出やすくなります。また、湿気が気になるシーズンにも出やすい傾向があります。
施術においては、痛い所が熱を発しているか否かで判断の参考にします。炎症を起こして熱を発している時は、痛い所に湿布をして、入浴時には温めないようにする方が無難でしょう。施術では肩から痛い所にかけて汗をかくようにもっていきます。
冷えている場合でも、痛い所は極端に温めないようにして、ぬるい程度の温度で保温するのが良いでしょう。その上で全身を暖め、血流を活性化して、筋肉の活性化を促します。

Ⅱ東洋医学的な鍼灸の立場から
(1) 冷えによるもの
疼痛と深い関係にあるのは冷えです。冷えには外からの冷えと内からの冷えがあり、外からの冷えは自然界の寒さであり、内からの冷えは体内の温める機能の不足によって発生します。
鍼灸の施術方針としては、身体全体を温めることにより、患部の冷えを退散させます。

(2) ストレス過多によるもの
強いストレスや精神不振が長く続くと、腱鞘炎に至る場合があります。これは気が滞ることによる痛みに属します。
このタイプの痛みは強い怒りや欲求不満が気の流れをせき止め、気がスムーズに流れないものが多くみられます。鍼灸では気の流れをスムーズにする施術を併用することにより、改善を図ります。

(3) 瘀血(おけつ)によるもの
身体の中の不調によって、気血の運行が邪魔されて長期化すると、瘀血(おけつ)が生じて痛みを引き起こします。また、ほかの慢性症状も瘀血(おけつ)を生じて痛みを引き起こす誘因となり得ます。打撲損傷・事故などの外傷による痛みも、必ず瘀血(おけつ)の存在を考えてアプローチすることが必要です。
施術方針としては、瘀血(おけつ)を除去するために、気の流れを活性化する必要があります(気めぐればすなわち血めぐる)。

(4) 血虚によるもの
虚弱体質者の痛みでは、生命力の不足を考える必要があります。「通じればすなわち痛まず、通じざればすなわち痛む」といわれているように、痛みは患部に何かが停滞していると考えますが、エネルギーの不足でも経絡の流れが悪くなり、血が不足して、筋骨の組織を養うことができず、虚証の痛みによる場合があります。
鍼灸の施術方針としては、「気は血を生む」ので、まず気を補います。鍼灸により虚の状態を改善して、気血の生産作用を改善し、痛みを止めます。

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