更年期障害-即効性を目指す鍼灸



(更年期とは)

女性の性機能は、間脳-下垂体-卵巣系統のそれぞれの器官がお互いに作用しあいながら正しく作用することにより、卵巣からの女性ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモンが分泌されることによってキープされています。こういったホルモンの働きにより、女性は女性らしいシルエットになり、メンタル面でも女性らしくなる訳です。もちろん、月経もこれらホルモンの作用により起こります。この性機能が盛んに働いている時期が、つまりは性成熟期といわれる時期です。

しかし、年齢を重ねるにともなって卵巣の卵(原子卵胞)が減っていくと、まず排卵しなくなり、その結果、黄体ホルモンが分泌されなくなるため、月経がなくなります(閉経)。そして、女性ホルモンだけが少量分泌される時期が過ぎて、そのうち女性ホルモンもあまり分泌されなくなって、老年期へと移っていきます。この性成熟期から老年期への過渡期を”更年期”と呼称しています。現代では、昔から比べれば栄養状態が改善されたためか、閉経年齢も延長されて、50歳代で閉経する人が多いようです

(更年期障害の原因)
この性機能が後退する時期に、間脳の失調によって様々な症状が生じるといわれています。この時期には、自律神経系や情動反応等にも問題が生じることが多くなり、いわゆる更年期障害と言われる不定愁訴症候群が出て来ます。

不定愁訴とは、ほてりとか肩こり等の自分で感じる症状だけが顕著で、その原因となる病気が確認できないものをいい、不快な症状の種類も広範囲にわたっていて、その部位等が移動したり、気象状況や家庭の事情などの影響で、症状が出たり消えたりすることが多くあります。

しかし、ご自身を取り巻く環境による要因や、女性の性格や気質に基づくメンタル的な因子などにも影響されるため、更年期障害の生じ方や激しさ、持続期間等は個人個人で全く違ってきます。

(症状)
更年期障害の症状には、かなり広範囲に及ぶものがあります。そのような中でも最もよくみられるのは、ほてりや多量の汗、肩こりや頭痛、ムシャクシャしたりブルーな気分といった卵巣機能低下(女性ホルモンの減少)の影響によるものや、自律神経失調による不調です。しかし、先に述べたように、こういった症状は、個人個人であらわれる内容や激しさは、全然違ってきます。

(経過)
更年期障害は、概ね5割程度の女性に出現するといわれています。ほてりや発汗等々の症状は、些細なことがきっかけで、あるいはきっかけもなしに生じて数日間持続し、少し沈静化してまた生じます。しかし、症状が出てくる間隔は徐々に長くなり、発作の期間は徐々に短くなるのが一般的です。

閉経期から老年期に移ってホルモンの状態が安定し、また間脳に存在する自律神経の中枢も安定し、さらにメンタル的にも安定することにより、一般的には数年で更年期障害が消失する方向にいきます。その為、45歳頃からスタートし、55~56歳頃までの間に生じてくる不定愁訴をメインとした、様々な症状が”更年期障害”というわけです。

(鍼灸施術の方針)
施術には、標治法(対症療法)と本治法(根本療法)があります。標治法(対症療法)とは、ほてりや多量の汗、肩こりや頭痛、精神不安定などの各症状に対する施術です。これらの症状に対して直接的にアプローチすることにより、不快な症状を改善し、良好な生命状態で日常生活をおくることができるように施術します。

本治法(根本療法)として施術する場合は、女性ホルモンに対してアプローチを図ります。急激に女性ホルモンの変化が起こるために、不定愁訴症候群が発症するわけですから、もう少しゆっくりと女性ホルモンの変化が起こるように施術するわけです。

女性ホルモンを活性化するツボとしては、三陰交(さんいんこう)が有名ですが、ほかにもあまり知られていないツボとして、然谷(ねんこく)や大鐘(だいしょう)(いずれも足首の辺り)などがあります。また、腰部などにも女性ホルモンを活性化するツボがありますので、ツボの反応をみながら、適宜 選んで施術します。

つまり、標治法(対症療法)と本治法(根本療法)を同時並行して施術することは、今現在 出ている症状と(その源となる)女性ホルモンの状態に対して、同時にアプローチすることにつながりますので、効果を期待することが可能です。鍼灸は更年期障害の改善のために、相当程度 貢献できる可能性があるでしょう。

(ツボの例)
三陰交(さんいんこう):足首の少し上(内側)にあります
然谷(ねんこく):内くるぶしの斜め下にあります
大鐘(だいしょう):内くるぶしとアキレス腱の間にあります

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