咽喉(のど)の痛み-即効性を目指す鍼灸院
(埼玉県 川越市)

感冒や慢性症状も含め、咽喉(のど)に痛みが出る例は、頻繁に散見されます。
咽喉は飲食に関係して呼吸を主り、声を出すことにも深く関わります。上は口に散じ、下は呼吸器と消化器に通じています。ノドは前側では気道とつながり、呼吸器に通じます。後ろ側にあっては食道とつながり、消化器に通じます。このように、ノドは呼吸器と消化器に関係していることから、消化と呼吸について密接な関係がありますが、他の五臓六腑とも関わりがあるため、生命力全体の衰退(生命状態の悪化)はノドに反映されることがあります。

(ノドと十二経脈の関係)
①手の太陰肺経:手の太陰肺経は呼吸を主る経脈で、その出入口がノドです。手の太陰肺経の生命状態が良いときは呼吸もスムーズで、ノドの状態も健全です。外邪が侵入すると、ノドの痛みがあらわれます。ノドは肺と外界の間を結びつける関所で、”肺の扉”と位置づけられます。声は気がノドを通り過ぎる時に出るため、声の力を参考にして肺の生命状態を推測することも可能であり、”ノドは肺の苗”ともいいます。
②足の陽明胃経:ノドは足の陽明胃経に所属し胃腑につながっているため、”水穀の通り道”ともいいます。足の陽明胃経の状態が悪くなると、ノドの状態にも反映される例があります。ひとつの例として、辛熱の飲食物を摂取し過ぎると、ノドに異変があらわれることがあります。「飲食の不摂生に起因するノド痛は胃熱が原因」という言い伝えは、足の陽明胃経とノドの関係をあらわしています。
③足の太陰脾経:足の太陰脾経と足の陽明胃経はセットになって表裏で働き、深く結びついています。脾胃の生命状態がノドに反映されることから、”咽喉は脾胃の候”といいます。
④足の少陰腎経:足の少陰腎経は先天の精を主り、咽喉は腎精の陰分を得ることにより、滋潤を維持し正常な働きをキープできます。腎精の虚、特に陰分が不足して虚熱を捌くことができないと、咽喉に上がってくることがあり、ノドの症状が出ます。「ノドの病は腎精の滋陰が不足するために出る」ともいわれる所以です。
⑤足の厥陰肝経:足の厥陰肝経は疏泄を主る経脈で、疏泄がスムーズにでき、気が順調に出入りすれば、ノドの状態も健全ですが、精神情緒の不調で肝うつ気滞が生じると、ノドの通りも悪化し、具体的な症状としてあらわれます。

(病因病機)
(Ⅰ)風熱侵入
外感の中でも、風熱外感はノド痛の原因になる可能性が高いといわれます。変化が速い熱邪と風邪が口腔かせ侵入し、まず呼吸器を犯し、手の太陰肺経に則って上昇し、肺の扉であるノドの生命状態を悪化させます。
(症状)
〇咽喉部が紅くなり、熱を帯びて痛む・・・風熱外感が口腔側から咽喉に侵入し、患部における気血の流通を阻害し、熱邪がうっ結して起こります。患部の腫脹と痛みで、飲食物が通るときに痛みが出ます。冷たいものを欲しがる傾向があります。
〇発熱・寒気・頭痛・・・外感が皮毛を犯して、温病の症状が出ることがあります。外感が侵入して高熱が出ることもあり、皮毛の陽気が外邪に塞がれるために、寒気は比較的軽めのことが多くみられます。風熱が上昇すると、頭痛が出ることもあります。
〇咳・痰・・・外感が呼吸器に影響すると、手の太陰肺経の宣発能力が低下し、肺気不宣となり、咳が出ます。熱が肺に影響すると、黄色い痰が出ることがあります。「脾は生痰の源、肺は貯痰の器」
〇舌と脈・・・舌の先は紅で、苔状の付着物は黄色くなりがちです。脈は浮いていて、速めの傾向があります。
(施術方針)
鍼のみで対応し、風熱の外感を散じ、咽喉の腫れを緩和します。(疏風清熱)
(ツボ)
合谷、外関、百会、衝陽、陥谷など

(Ⅱ)肺胃熱盛
外感が衛分から気分に到達すると、肺胃の熱証と変化することがあります。温熱が上昇して咽喉を焼くと、ノドの痛みとしてあらわれる例があります。辛熱酒酪・肥厚甘味や過飲・過食などによって胃熱が発生した際も、熱が上昇してノドを焼き、強い咽喉の痛みとなり得ます。
(症状)
〇咽喉が紅く腫れて痛みがあらわれる・・・外感としての温熱をスムーズに発散できない場合は、邪が火に変化することがあります。火は上昇しやすい性質があり、ノドを灼熱すると、患部は紅・腫・熱・疼痛の症状になります。膿むことも散見されます。
〇発熱・口渇・・・熱邪が異常亢進していることを示す所感です。陽明経脈は多気多血といわれ、陽明経脈に熱が篭ると、邪気とのぶつかり合いも激しくなり、発熱します。陽明経脈の熱盛で陰分は消耗し、口渇も顕著になります。
〇咳・痰が黄色・・・手の太陰経の熱により、宣発・粛降機能が低下し、肺気不利による咳が出ます。黄色い痰は熱の所見です。
〇尿の色は濃い・大便秘結・・・手の太陰経は手の陽明経と表裏の関係にあり、胃と腸は後天の精の取り込みに寄与するため、肺と胃の熱が異常亢進すると大便秘結になりやすい傾向があります。熱に蒸されることにより、尿は濃い色になります。
〇舌色は紅・苔状の付着物は黄色・・・熱が篭ることにより、舌の質は紅色になり、苔は黄色になりがちです。口臭が目立つこともあります。
〇脈には力がある・・・正気と邪気がぶつかり合う時に生じる脈です。
(施術方針)
体内に篭っている熱を外に出し(寫火)、咽喉の痛みや腫れを緩和します。
(ツボ)
内関・外関・百会、足三里、下巨虚など

(Ⅲ)肺腎陰虚

臓腑の虚弱、特に肺と腎の陰津の不足により、慢性の咽喉の痛みが発症することがあります。急性から慢性に移行した人、”ほてり”と冷えが同居する体質の人などは、陰津の不足傾向が出やすいです。陰虚のため、陰分がノドを滋潤することができないことと併行して、上部の虚火がノドを損傷し、咽喉の痛みとなってあらわれます。
(症状)
〇ノドの辺りが乾燥・痛み・痒い・・・体質的な陰虚(直接的には手の太陰肺経、間接的には足の少陰腎経)の場合、咽喉の慢性的な症状が出やすいといえます。激痛ではなく鈍い痛みがあり、ノドが乾燥傾向で、嚥下の際は特に痛みを覚えます。
〇午後から夕方・夜にかけて悪化しやすい・・・陰に属する午後以降は、陰分の不足が顕著となるため、午前中よりも悪化する傾向があります。
〇咳・・・手の太陰肺経は潤いを好み、乾燥が苦手な経脈です。手の太陰肺経の陰分が不足すると、気血は上昇して潤いがなくなり、咳がでやすいです。
〇口が乾く・掌足の裏の”ほてり”・・・足の少陰腎経の陰分が不足すると、咽喉の奥の方が乾燥します。また、全身の症状としては、五心煩熱の症状として、掌・足の裏などの”ほてり”があらわれやすい傾向がみられます。
〇舌の質は紅・苔状の付着物は少ない・・・上部がほてり、下部が冷える体質の人が多いといえます。
〇脈は細く速め・・・陰分の虚をあらわす細脈と、虚熱を示す数脈がみられやすい。
(施術方針)
体内の陰分、特に手の太陰肺経と足の少陰腎経の陰津を補い、虚熱を清め、体内の陰陽のバランスを整えます(滋潤・降熱)。
(ツボ)
腎ゆ・復溜・太渓・照海・大腸ゆ・陰谷など


※タイプ別区分は他にも多数ありますが、全てを掲載することはできないため、セオリー的なものを取り上げました。

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