小児-即効性を目指す鍼灸
(埼玉県 川越市)

小児は内臓が未成熟なために繊細で、病の変化も速いのが特徴です。そのため、大人に比較した場合、極めて弱い刺激量でも充分に反応します。そのため、接触鍼(ささない鍼)+温かさを感じない灸 で対応する場合も多くあります。

●小児の生命状態
Ⅰ内臓が未成熟
小児は内臓が虚弱で不安定のため、内臓の保護に充分注意して鍼灸 施術を行います。内臓の中でも、肺・胃腸・生命力の根(腎)の力を活性化にすることを目的とします。
(1)肺
肺は気を支配し、皮膚の表面部分をつかさどります。小児は肺の力が不足すると風邪を受けやすくなり、風邪のような症状に罹りやすくなります。呼吸器に関する症状については、肺のエネルギー虚弱の可能性があります。
(2)胃腸
胃腸は生活する力の大元です。小児は胃腸が未成熟で、過食や冷飲食により胃腸障害などに陥りやすい、といえます。これらの症状が慢性化すると、飲食物からエネルギーを作り出す機能が衰え、ひ弱な小児になりがちです。胃腸虚弱は肺エネルギー虚弱の元ともなります(胃腸と肺は母子関係)。

(3)腎(生命力の根)
腎は生命力の土台に位置づけられます。精(土台のエネルギー)は髄(身体を作る源)を生み出し、髄は骨を養い、脳に影響を与えます。先天的なエネルギー不足、慢性症状によるエネルギー虚弱などにより、生命力全体が弱くなり、骨・肉体・脳の発達の遅延などの可能性が出てきます。

Ⅱ小児は発育力が旺盛
子供の内臓は虚弱ですが、発育が速い特徴も併せ持っています。年齢が低いほど発育速度が速く活発であるため、病気に罹患しても改善が速い特徴もあります。

●病の特徴
Ⅰ小児は病に罹りやすく、変化も迅速
内臓が発育途上であるため、抵抗力が強くなく、外邪の侵入を許しやすく、病にも罹りやすい、といえます。小児は病の移り変わりも迅速で、身体の状態が変化しやすいです。

Ⅱ小児の病は改善しやすい
病に罹りやすいが、生命力も旺盛なため、改善も速い特徴があります。

●小児 症状の原因
Ⅰ先天的な要因
お腹の中にいるときは母体の影響を受けやすいため、特に小さいうちは先天的要因を疑う必要も出てきます。

Ⅱ外因
小児は自然の影響を受けやすく、外からの不要なものの侵入を許しやすい特徴があります。これを邪気といいます。
①風:風邪が侵入することが多いです。子供の肺は虚弱なため、すぐに風邪などにかかりやすく、呼吸器系統に影響を及ぼしやすいといえます。
②冷え:子供は冷えに対しても敏感で、冷えに影響されたり、冷たい飲食をするとすぐに影響を受け、消化器症状に陥りやすいといえます。
③暑:暑さに影響されると、熱が出たり、日光にやられたりします。
④湿:不必要な水分に影響されると、消化器症状に陥りやすくなります。また、小児は皮膚をに影響をもたらす肺も未成熟なため、湿疹などの症状も散見されます。
⑤燥:渇いた空気などにやられると、生命維持に必要な潤いを消耗しやすく、肺のエネルギーがやられやすい、といえます。元々肺が弱い子供は秋の乾燥した空気の悪影響を受けやすく、咳や風邪などの状態に陥りやすくなります。

Ⅲ胃腸の問題
小児の虚弱体質による症状には、胃腸の問題が最も強く反映されます。食べ過ぎや食べない過ぎは胃腸に悪影響を及ぼします。子供には下痢・嘔吐・腹痛などの消化器の症状が多くみられます。小児の発育を考慮すると、エネルギー生産の源である胃腸機能を調節・保護することは大切です。正しい飲食・正しい睡眠・正しい運動は養生の基本です。

●小児への鍼灸 施術
Ⅰ肺気虚弱
(症状)
①風邪などにかかりやすい:肺は体の表面の生命状態を支配します。肺のエネルギーが強くなれば、体表の防衛機能が向上し、風邪に罹りにくくなります。
②汗をかきやすい:肺は皮膚を支配します。肺エネルギーが不足すると汗の出入りを調節する機能が低下し、汗を固める機能(汗を出なくする機能)が低下するため、体外にあふれ出ます。
③咳:肺のエネルギーを損傷すると、咳することが多く、小児の場合、気管支炎・喘息・肺炎などに移行する可能性があります。
④声に力がない:声の動力源は肺です。
⑤息切れ:子供は走り回って普通です。じっとしているようであれば、肺のエネルギーを補うことを考慮する必要があります。
(鍼灸 施術の方針)
肺のエネルギーを補い、体の表面の防衛能力を強める。

Ⅱ胃腸虚弱
(症状)
①疲労倦怠・気力がない:胃腸は身体の活動力をつかさどります。胃腸の力が不足すると、身体中にエネルギーを運ぶ機能が低下し、全身に巡るエネルギーが不足し、疲労倦怠などの状態になりやすいです。小児が遊びまわらないでじっとしているようであれば、この症状を疑う必要があります。
②痩せる(または水太りする):飲食による栄養の消化吸収能力が低下すると、エネルギーを生み出しにくくなるため痩せます。しかし、不要物を捌けなくなると、逆に太ります。虚弱により気が滞ってめぐりが悪くなるので、不必要な水が生じて体内に滞ります。
③食欲減退:胃腸の機能低下です。食べたがらない小児の胃袋に無理やり詰め込んでも、消化吸収できません。
④腹痛:食後に痛むのは胃(そのもの)の弱り、空腹時に痛むのは消化器全体の弱りです。
⑤下痢:消化吸収能力低下→余計な水分を運んで排出する能力の低下→不必要な水分が余る→尿だけでは排出できずに大便に回る
(鍼灸 施術の方針)
胃腸機能を強化して消化吸収能力を高め、飲食物からエネルギーを生産しやすくする。胃腸が強くなると、肺の力も強くなります。

Ⅲ先天的生命力不足(腎虚)
(症状)
①発育が遅い:腎は先天的なエネルギーをつかさどっています。腎の力が虚弱な場合、小児の身体・頭脳の発達遅延などがみられることがあります。
②歯が弱い・髪に力がない:腎は骨をつかさどり、「歯は骨の余り」と考えます。腎が虚弱な状態にあると、歯が生えるのが遅い傾向があります。
③顔色が白い・手足が冷たい:身体を温めるエネルギーが不足した症状です。
(鍼灸 施術の方針)
鍼または灸にて腎の力を補うことによって生命力の土台をしっかりとさせ、小児の心身と脳の機能を活性化させる方向にもっていきます。

※タイプ別区分は他にも多数ありますが、全てを網羅することはできないため、セオリー的なものを掲載しました。

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