鍼灸=東洋医学?

鍼灸は患部に直接施術するのが常識か?

東洋医学と西洋医学では、理論、アプローチ方法ともに根本的に異なります。多くの人において、東洋医学と西洋医学の違いを理解できているとは言い難い現状があります。 鍼灸の施術法や流派(会派)などは多数存在しますが、無理やりに大きく分けると以下の4つとなります。このうち、(1)〜(3)は東洋医学にカテゴライズされますが、(4)については西洋医学といってよいでしょう。

※多くの人が「東洋医学 鍼灸」といわれた時に想像される施術法は、(1)(2)のうちの標治法または、(4)西洋医学的施術法であろうと思われます。




(1)経絡治療
古代中国の流れを汲み、日本で発達した施術法。経絡治療学会などで、施術法を引き継いで維持・発展させている。
〇本治法(主要)
患者の状態について、肝虚証.脾虚証.肺虚証.腎虚証の4つに大別し、それを掘り下げて施術内容を決めていく。どんな疾患名であろうと関係なく、証=患者の状態 によって施術法(ツボなど)を決めていく。ツボはすべて上肢と下肢であり、患部に施術することはない。
〇標治法(副次的)
患部や患部の近くに施術する。



(2)中医学
中国の鍼灸施術法であり、中国が国をあげて取り組んでいる。弁証論治により患者の状態を見極め、それに基づいて施術していく。どんな疾患名であろうと関係なく、患者の状態により判別し(臓腑弁証)、五臓六腑のツボをターゲットにして施術することが多い。本治法と標治法があるが、メインは本治法(患部に施術する訳ではない)である。ツボは背中.お腹.上肢.下肢を主として、施術者により様々な部位のツボに施術する。



(3)沢田流太極療法
十四経発揮(しゅうしけいはっき)などの書物の影響を受け、沢田健氏が主張した施術法。典型的な全体的アプローチを主とした施術法であり、患部に対する施術法に否定的な考え方をとっていたことでも有名。施術部位は、上肢.下肢.背中.お腹(時に頭)のツボを多用する。「十二原之表(じゅうにげんのひょう)」などの書き物(図)を残しているが、表に載っているツボはすべて上肢と下肢に位置している。代田文誌氏や山田国弼氏などの高弟が有名で、高弟から教えを受けた人物は存在するが、正式に後を継いだ人物はいない。



(4)現代科学的鍼灸
筋肉や神経のメカニズムを意識して刺激を与える施術法である。西洋科学(医学)的理論に基づいた鍼灸といえる。筋肉や神経などの西洋解剖学的理論に基づき、患部へアプローチを図る。多くの人は、これを東洋医学と勘違いしている。



(1)〜(4) のうちで純粋な東洋医学に当てはまるのは、(1)経絡治療のうちの本治法 (2)中医学のうちの本治法 (3)沢田流太極療法であろうと思われます。つまり、どんな施術法や流派(会派)であろうとも、東洋医学的アプローチに関していえば、患部への施術は副次的アプローチ(または不必要なアプローチ)であり、本質的アプローチは五臓六腑、(鍼灸では)上肢.下肢.背中.お腹が中心であることは常識といえます。

※当方はいずれの流派(会派)等にも属していません。
※患部への施術(標治法or西洋医学的)は、当方では行っていません(行わない方が改善率が高い=当方の経験値)。目標はあくまでも「施術しているように見せてお金を取ること」ではなくて、「病的状態を一刻も早く改善すること」に尽きます。

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